最後の音が消える 幕は下りてゆき
戻ってきた貴方の横顔に見惚れて
その瞬間からずっと時は止まったまま
思い出を壊さずに居てくれる
出会いと呼ぶには ささやか過ぎたね
優しい手を握って離さず仕舞いの
生意気な奴は あれから十数年経った今
こんなに大きくなりました
幼い頃から憧れている背中に
少しでも追い付けたなら
“昔見た貴方とは何も変わらない”
ほんの少し期待を秘めたけど
そんな希望も易々と打ち砕く瞳の光に
残る強さがただ悲しかった
いつでも弦を弾いて記憶を奏でる
一片の言葉に込めた想いと重ねて
美しいばかりでは届かないだろうと
激しく掻き鳴らしても 切ない
空へ響いてゆく様にと
上ばかり向いて歌っている僕は
やっと手に入れた栄光という名の冠
星になった貴方が授けてくれた
大切な物だから奪わせない為に
王座は蹴りとばして進もう
どんなに名声を得ても
同じ場所へ羽ばたけはしない
今日も舞台の袖で涙をこらえている
接吻て投げた僕の羽<ピック>の白さで
貴方はもう永遠なのだと気づき
その幸せを静かに祈ってゆく