目が覚めて 窓を開けて
静かに流れる時計代わりのテレビ
トーストは耳だけお皿に残した
だってあまり美味しくないんだもの
画面の中、同い年の娘
重そうな水瓶を担いで歩く
あの川を目指す、同い年の娘
ぼろきれから黒い細い素足をのぞかせて
あなたの村までどのくらいかしら
この足で歩いてゆけるかしら
ああもう行かなくちゃ
白い靴下を急いではくと
「今日は雨が降るから、傘持ってくのよ」
ママの声が聞こえる
あなたの村までどのくらいかしら
この足で歩いてゆけるかしら
トーストの耳を口に投げ込んだあたし